国立大学の施設の整備・改善について(要望)

平成12年11月24日
国立大学協会会長
 蓮 實  重 彦
第6常置委員会委員長
 鈴 木  章 夫

 国立大学等の予算につきましては,毎年,厳しい財政状況にも拘らず,種々御配慮頂いていることに対し,感謝を申しあげます。
 現在,国立大学は国民の負託に応え,21世紀の世界的競争に勝ち抜くために大学改革を行い,その成果をあげるべく不断の努力を重ねているところであります。
 言うまでもなく,教育への投資は国家百年の計でありますが,我が国の高等教育費への公財政支出は,単純な比較はできないが,1997年の例によれば,対国内総生産(GDP)比にして先進諸国に比べ遥かに低いのが現状であります。例えば,アメリカ1.1%,フランス・ドイツ0.9%,イギリス・イタリア0.7%,カナダ1.6%,スウェーデン1.5%に対して,我が国は0.5%であります。
 したがって,教育研究を行うための各国立大学の人的資源が乏しいことはもとより,施設・設備の現状を見れば残念ながら老朽化・陳腐化を来たし,このままでは21世紀の科学技術をリードすることはおろか,多くの国立大学は現在の教育研究水準の維持さえ因難な現状であります。
 国立大学の施設の整備・改善は別添資料に示す通り,未だ多くの改善すべき課題を抱えております。
 また,21世紀の最初の5年間を対象とする次期科学技術基本計画の策定に向けた科学技術会議の議論においても,国立大学等の施設の改善が最重要課題として検討されているところであります。
 この窮状を是非ともご賢察頂き,教育研究の根幹をなす施設の整備・改善を促進するため,格段の財政的支援を強く要望するものであります。

(要望先: 内閣総理大臣,自由民主党幹事長,政務調査会長,文教部会長,
文教制度調査会長,公明党政務調査会長,保守党政務調査会長,
大蔵省主計局長,文部大臣,文部事務次官等)