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韓国の小学校で授業に挑戦 -愛知教育大学-【東海・北陸支部】

 2005年9月5日から12日まで、愛知教育大学と姉妹校である晋州教育大学校に学
生20名とともに訪問した。
 愛知教育大学と晋州教育大学校は2004年からお互いの大学祭期間中に相互訪問をしている。私は、今回の訪問期間中に晋州教育大学附設初等学校で教壇に立つ機会を得た。韓国の小学校で授業をするということの発端は、昨年の交流訪問の際に教育大生ならではの交流のあり方を模索したところ、韓国の小学校で授業をしてみてはどうかという思いつきからだった。昨年は文科省唱歌である「もみじ」を題材にして、国が違っても美しいものを感じる心は同じであるということを伝えた。今年はそれをさらに発展させる形で国際理解教育の授業を実施した。
 現在の日韓関係は、ヨン様ブームも手伝ってか急速に近づきつつある。しかし、いまだもって解決し切れていない問題も山積みであるというところが現実である。そんな今、私が教育者の端くれとしてできることは何かと考えたとき、これからの日韓関係を担う子どもたちに色眼鏡をかけてお互いの国や人を見るのではなく、自分の目で見て考え、判断できる子どもを育てたいという考えに至った。そこで、今回は韓国人と日本人との間で起こった誤解の事例をもとに、それぞれの立場を考える活動を通して、あるひとつの出来事を様々な面から理解する授業を行った。
 実際に韓国の小学校で教壇に立つことは想像以上に緊張した。そして、それに輪をかけるように言葉の問題が重くのしかかった。私は、2003年度に晋州教育大学校に一年間留学した経験があり、日常会話において問題はなかったのだが、子どもの意見を聞いたり、それをまとめたり、そして、意見に応じて的確に反応し、メッセージを伝えていくことがこれほど難しいものかと思い知らされた。私がここで何らかの失言をしてしまったり、子どもを不安にさせる態度をとってしまったら、偏った日本人観が形成されたり、さらには日韓関係にも影響があるのではないかというくらいまでプレッシャーを感じていた。そうこうしているうちに時間は過ぎ、気づいたときには授業は終わっていた。とにかく必死だった。子どもの感想文には、事例についての感想も多かったが、それより一歩踏み込んだ形で私が挙げたねらいとする価値に気づけた子どももいた。この授業がこの子どもたちが韓国社会をそして、それを離れた世界を理解するうえでの助けとなれば幸いである。
 韓国の小学校で教壇に立つ、この経験は私が日本で教壇に立つときに助けになると確信している。教室にいる40人の一人ひとり違う子どもを理解するためには通り一遍のやり方ではどうにもならない。言葉はもちろん、顔の表情、手振り身振り、体全部を総動員して必死に伝え、受け止めることが大切である。このことに気づかせてくれた韓国の子どもたちに感謝している。

(原稿 愛知教育大学大学院学校教育専攻国際理解教育領域 1年 佐方 貴文さん)