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国大協「第15回大学改革シンポジウム【日本の教育改革における国立大学の役割】」を開催(10/24)

 国立大学協会は、10月24日(月)、学術総合センター一橋講堂において、第15回大学改革シンポジウム【日本の教育改革における国立大学の役割】を開催しました。

 本シンポジウムは、高大接続システム改革会議の最終報告を受け、高等学校教育や大学教育の改革を目指して、学力の3要素を測る大学入学希望者テストの具体的な制度設計などが検討されているなか、日本の教育改革において国立大学が主体的に果たすべき役割などについて議論を深め、国立大学の存在意義の重要性について広く社会へ発信していくことを目的に実施し、大学関係者をはじめ高校関係者、受験産業関係者、マスコミなど、292名が参加しました。

 今回の企画にあたっては、学生参加の議論を意図し、総合司会を東京大学教育学部4年生の堀 奈保子さんにお願いしたほか、現役学生の参加も呼びかけ、東京大学1名、お茶の水女子大学7名、京都大学3名など多くの学生の参加がありました。また、来日中のオーストラリアの大学協会の方々にも参加いただきました。


 はじめに、本協会の里見 進 会長(東北大学長)から開会挨拶があり、「国立大学は厳しい財政状況の中であるが、我々は、未来に向けての諸改革に取り組むと同時に、さまざまな課題を背負った学生を真正面から受け止め、彼女彼らが大学での学びを通して豊かな人生を送れるよう、教職員あげて支援していく決意である。」と力強く語られました。

 続いて鈴木 寛 氏(文部科学大臣補佐官、東京大学教授、慶応義塾大学教授)による講演があり、「今後、産業、就業、社会構造等に産業革命以来のパラダイムシフトが起こり、不確実性が加速していく中で、20世紀型の大量生産の時代の教育から脱却し、22世紀を創る環境を整備する人材であるとともに、激動の時代を生き抜く人材を育成するために、今、まさに教育改革が求められている。これからの大学の役割は教育、知の創造とともに社会への新たな価値の創出であり、また、大学、高校、社会とが一体となった知のエコシステムを作り出すことである。そして、地域のセンターとして、地域活動に貢献していく必要があること、大学院を含めた多様な学びを提供し、高度高等教育を受けた人材の必要性を大学が社会、企業に説明、実感してもらう必要がある。」など教育改革の必要性とともに、教養とは苦闘した先人の物語であり、想定外を生き抜く教育が必要であることに触れつつ、現在国立大学が果たしている役割を発信し、社会を啓発する必要について述べられました。

 その後、松尾 清一学長(名古屋)、中井 勝己学長(福島)、室伏 きみ子学長(お茶の水女子)、片峰 茂学長(長崎)の4名のパネリストが教育改革の焦点、自校の学生の評価、教育の方針や教育改革の課題、大学を目指す方々へのメッセージなどについてそれぞれ発表しました。その後、義本 博司氏(文部科学省大臣官房審議官)と荒瀬 克己氏(大谷大学文学部教授、元京都市立堀川高校長)および講演者の鈴木 寛氏を交え、パネルディスカッションが行われました。そこでは各大学が、時代と社会の要請を踏まえながら地域が学生の実情に沿った多様な改革を実践していることが示されました。

 また、会場からは、企業や高校関係者の発言のほか、学生から、「インターンシップなどの社会とつながる機会の質、活動内容の違いで得られる体験が違ってくるので、その企画が重要である。」「学生の海外留学の機会の拡大など、大学から学生に対してチャレンジできる機会を提供しており、学生が利用し、有能な学生を輩出して、企業から認められるという大学からのアプローチの在り方は良いと思う。」「学生自身も与えられた枠を踏み出して、チャレンジしたい気持ちはあるが、その方法がわからないだけである。」など発言がありました。オーストラリア大学協会からは、学生の発言に共感を示され、改革の当事者である学生の声に耳を傾けることが不可欠であると指摘がありました。

 閉会挨拶では、和田 健夫学長(小樽商科)が、国立大学は、これからも新しい知を学生に教えていくとともに、学生が知に対する自らの課題に立ち向かうための仕組作り等の教育改革を推進していくこと、それを他大学や社会と連携して取り組んでいくことも必要であるとの決意をこめた閉会の辞を述べました。


 最後に、総合司会の堀 奈保子さんが、「印象に残ったことは、大学が高等教育の必要性を社会にもっと啓発していくべきということである。これは、学生自身としても、知識が蓄積された環境で学ぶ者として、自分が社会に対して果たす役割を自覚すべきであり、この自覚によって、ただ漠然と単位を取って卒業するような学習ではなく、自分が4年間でどのような力を身に付けるのかという意識を持ち、能動的な学習ができることになると思う。よって、本日のシンポジウムで得た大学の取組や大学を取り巻く動きなどを他の学生にももっと知ってほしい。」との感想を述べ閉会いたしました。


 なお、シンポジウム終了後、東京大学、お茶の水女子大学、京都大学の学生同士の懇談会が行われ、日常の大学生活や学びについて山本専務理事や国大協職員とともに意見交換をいたしました。

 

【講演】
○「日本の教育改革における国立大学の役割と期待」
  鈴木 寛 氏(文部科学大臣補佐官、東京大学教授、慶應義塾大学教授)

【パネルディスカッション】
○コーディネーター
 山本 健慈 氏(国立大学協会専務理事)
○パネリスト(事例発表)
 松尾 清一 氏(名古屋大学長)
 中井 勝己 氏(福島大学長)
 室伏 きみ子 氏(お茶の水女子大学長)
 片峰 茂 氏(長崎大学長)
○コメンテーター
 義本 博司(文部科学省大臣官房審議官)
 荒瀬 克己(大谷大学文学部教授、元京都市立堀川高等学校長)



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総合司会の堀 菜保子さん(東京大学教育学部) 開会挨拶をする里見 国立大学協会会長(東北大学長)
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鈴木 氏
(文部科学大臣補佐官、東京大学教授、
慶應義塾大学教授)
松尾 氏(名古屋大学長)

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中井 氏(福島大学長) 室伏 氏(お茶の水女子大学長)
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片峰 氏(長崎大学長) 山本 国立大学協会専務理事
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義本 氏(文部科学省大臣官房審議官)

荒瀬 氏
(大谷大学文学部教授、元京都市立堀川高等学校長)
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閉会挨拶をする和田 小樽商科大学長 パネルディスカッションの様子
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パネルディスカッションの様子 会場の様子
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会場の様子 会場の様子
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会場の様子 質疑・応答の様子
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学生との懇談会の様子 学生との懇談会の様子