第106回総会の確認事項

平成12年6月14日

 国立大学協会は,第106回総会において,次の4点を全会一致で確認した。

1.  5月26日の文部大臣の「説明」以後も,国立大学協会は,国立大学の設置形態に関して,これまで表明してきた態度を変更する必要があるとは認識していない。すなわち,すでに法制化されている独立行政法人通則法を国立大学にそのままの形で適用することに強く反対するという姿勢は維持され,今後も堅持されるだろう。

2.  教育,研究の質のさらなる向上によって,国民の利益の増進と,地域社会,人類社会の持続可能な発展に貢献することを目指し,その実現にふさわしい国立大学の設置形態を検討するために,副会長を正副委員長とする「設置形態検討特別委員会」を国立大学協会内部に新たに設置し,この委員会を中心に,文部省をはじめ,内外の各方面への政策提言を積極的に行う。

3.  上記の二点を踏まえ,かつ,我が国の高等教育と学術研究の健全な発展に資するために,国立大学協会として,文部省に設置される予定の「国立大学の独立行政法人化に関する調査検討会議」に積極的に参加し,そこでの討議の方向に,国立大学協会の意向を強く反映させるための努力を行う必要がある。

4.  一国の高等教育政策は,国民,地域社会,人類社会の利益という視点から,長期的な展望のもとに議論されねばならず,それには,国際的動向をもふまえた恒常的な政策決定の機構が必要である。国立大学協会は,この際,科学技術基本計画に対応する学術文化基本計画の策定を課題とする議論の場の設定を強く訴えたい。