日本の将来と国立大学の役割 >> 新しい知識社会と大学
はじめに: 新しい知識社会と大学

 グローバル化の中で、新しい知識社会を構築することが日本社会の大きな課題となっていることはいうまでもない。そのために、政府、企業そして大学・研究機関が、それぞれの変革を進めるとともに、互いに新たな協力関係を作っていくことが必要である。その中でも知識を創造し、また伝達する場としての大学が、重要な役割を果たすことが期待されている。(下図)

 日本の高等教育の特徴は、国立、公立、私立の大学が並存し、それぞれ固有の役割を果たしてきたことにある。その中で国立大学は、高度の研究・教育を知的な公共財として創造し、伝達することをミッションとしてきた。それが具体的にどのような形でこれまで実現され、またさらに変革されることが求められているのか。それを正確に把握することこそが、時代の大きな転換点にあって、新しい国立大学を作り出すために不可欠の作業だといえよう。

 こうした視点から以下では国立大学の現在の役割を、1)知識・技術の創造拠点として、 2)中核人材の養成拠点として、そして3)教育機会の均等を保証するものとして、の三つの視点から整理し、そこから国立大学がこれから果たすべき役割とその条件を考える。


 

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