2021 Trilateral university leaders’ meeting – France – Germany – Japan “Future university development beyond pandemic times”を開催

 

 

 国公私立大学団体国際交流担当委員長協議会(JACUIE)及び国立大学協会は2021年10月20日に、フランス大学長会議(CPU)、ドイツ大学学長会議(HRK)との共催で、3か国の学長等による国際会議「2021 Trilateral university leaders’ meeting – France – Germany – Japan “Future university development beyond pandemic times”」をオンラインで開催しました。

 本事業は、フランスとは国立大学協会との協定に基づき2018年12月に東京で、ドイツとはJACUIEとの協定に基づき2018年4月に東京で開催された交流事業に引き続くもので、当初2020年度にフランス及びドイツで開催予定だった交流事業が新型コロナウイルス感染症の拡大により延期されていましたが、初の試みとして3か国間でのオンライン開催に至ったものです。今回は、コロナの経験を踏まえた課題と可能性の共有に加え、日仏独の高等教育機関の連携支援を企図して実施されました。日本側は国公私立大学を包含する枠組みで開催され、日仏独合わせて91大学の学長・副学長等99名が参加し、意見交換と情報共有を行いました。

 会議は、テクニカルホストを務めたHRKの連携機関であるベルリン日独センター(JDZB)の進行により進められました。まずは、Julia Münch JDZB Secretary-Generalから、JACUIEとの長い交流の歴史と、今回のテーマは時宜を得た重要なものである旨が言及されました。 続いて、3団体の会長の挨拶が行われました。Peter-André Alt HRK会長からは、パンデミックが続く中、対面が望まれるものの、デジタル形式の会議を選択したことは賢明な判断だったこと、また、HRKが国立大学協会及びJACUIEとの交流を高く評価していることが述べられました。 永田恭介国立大学協会会長(筑波大学長)からは、2014年の国立大学協会とCPUの協定締結、2015年のJACUIEとHRKの協定締結以降の交流の軌跡に触れるとともに、トライラテラル(3か国)の新形態で開催された本会議は、コロナによる制約下でも連携が進められる証左であること、また、国立大学協会創立70周年に当たっての会長声明には、新しい価値観の下で社会に貢献するという決意が込められており、本会議の理念にも沿った取組であることが述べられました。 Manuel Tunon de Lara CPU会長からは、日本の大学とは長年にわたり協力関係を築いてきており、仏独間にも深い信頼関係があることに加え、より多くの大学間で共通プロジェクトを行うべきとの考え、そして、2020年5月の日欧首脳会談で触れられたように、欧州研究会議(ERC)やHorizon Europeの取組など、日欧の関係がより戦略的なものになってきていることが述べられました。

 引き続き、両国大学長等による3つのセッションが開始されました。 まず、「デジタル化が大学の教育・学修に及ぼすインパクト」として、Anja Steinbeckデュッセルドルフ大学長の司会進行の下、Lionel Larréボルドー・モンテーニュ大学長が事例を発表し、服部泰直島根大学長等がコメントを寄せました。議論では、「デジタルリテラシー」、「デジタル活用に当たっての平等性の確保」、「学生のメンタルサポート」の重要性や、デジタル化には資金が不可欠であること、また、デジタル化による教育の多様化及び研究室の遠隔操作の可能性など、各国間で共通する事例が多く挙げられました。 続く「パンデミックが誘引する研究の挑戦と可能性」では、位田隆一滋賀大学長のモデレートの下、Peter-André Alt HRK会長のドイツ企業によるワクチン開発や、広範な学術分野の重要性等の事例発表の後、片桐恭弘公立はこだて未来大学長等がコメントし、議論が行われました。例えば、人文・社会科学を含めた幅広い分野の基礎研究への適切な資金提供・支援、若手研究者のキャリアへのパンデミックの影響を考慮すること、さらに研究上の男女間の平等の確保や、3か国の比較分析の必要性などが指摘されました。 最後に「国際連携への新たな選択:バーチャル連携の可能性と限界」では、Emmanuelle Garnier トゥールーズ・ジャン・ジョレス大学長が司会を務めました。初めに小室輝久明治大学副学長(国際交流担当)から事例紹介として、海外大学との共同授業を含むコースの設置など、新旧の国際協力のハイブリッドの例などが紹介され、その後の議論では、海外との連携の幅を広げ、フィジカルによる留学を補完するバーチャルの可能性や、一方で、フィジカルを代替できないオンラインの限界などが議題に挙がり、3つのセッションともに活発な議論が行われました。

 閉会挨拶では、牛木辰男JACUIE座長(新潟大学長)から、本会議は、オンラインの強みと弱みを考え、国際協力を含む新たな教育・研究のスタイルを模索する好機会となったこと、デジタルとリアルの融合の例として、新潟大学とボルドー大学との間で、事前に日本酒やワインを送り合い、オンラインで実物を使用しながら授業を行うという実例が挙げられました。また、次回会議の対面開催にもコロナ禍の状況に前向きな兆しが見え始めていることを受け、実現への期待が述べられました。 また、Manuel Tunon de Lara CPU会長からは、パンデミック後の、学生間や異なる大学の関係者とのフィジカルによる交流の重要性や、その最適化の方法について、現在は多くの経験を積んでいる状態であり、パラダイムの修正を考えるべきであると言及されました。そして、長期的なアプローチには長期的な資金とサポートが必要であることや、大学は世界の知の礎であり、教育と科学を守るため、日仏独はそのリーダーとなり得ることが述べられました。 さらに、Peter-André Alt HRK会長からは、パンデミックの危機は、目標を再定義し、その実現の手段を研ぎ澄ますのに有用であること、また、世界の多くの国で学術的価値が脅かされている中、学問の自由と独立性の原則が肝要である点、そして、コロナを含め科学に関して、大学と国民・市民とのコミュニケーションを図ることの重要性が述べられました。

 また、Manuel Tunon de Lara CPU会長からは、パンデミック後の、学生間や異なる大学の関係者とのフィジカルによる交流の重要性や、その最適化の方法について、現在は多くの経験を積んでいる状態であり、パラダイムの修正を考えるべきであると言及されました。そして、長期的なアプローチには長期的な資金とサポートが必要であることや、大学は世界の知の礎であり、教育と科学を守るため、日仏独はそのリーダーとなり得ることが述べられました。 さらに、Peter-André Alt HRK会長からは、パンデミックの危機は、目標を再定義し、その実現の手段を研ぎ澄ますのに有用であること、また、世界の多くの国で学術的価値が脅かされている中、学問の自由と独立性の原則が肝要である点、そして、コロナを含め科学に関して、大学と国民・市民とのコミュニケーションを図ることの重要性が述べられました。

 本会議終了後は、事前にマッチングを行った大学間で、一対一のオンラインネットワーキングが行われました。

 今後も、両国との国際交流がさらに活発になることが期待されており、JACUIE及び国立大学協会としても、フランス及びドイツの大学団体等と協力し、両国との交流拡大に向けた取組を進めていきます。

◇ 会議の様子は、以下リンクのHRK YouTubeチャンネルからご覧いただけます。

  https://www.youtube.com/watch?v=B9EiErSIExA      

 

 


 


      開会の挨拶をする永田恭介国立大学協会会長                    閉会の挨拶をする牛木辰男JACUIE座長
    (筑波大学長)                                                          (新潟大学長)

 

 

 

 

 

【参考】