第1部 国立大学における身体に障害を有する者への支援の現状

6 障害を有する学生からの声(資料編参照)

 全国の国立大学の中から22人の学生(学部、大学院を含む)の声があった。障害の内訳は、肢体不自由者11人、聴覚障害者7人、視覚障害者3人、内臓疾患(心臓疾患)者1人である。障害別に彼らの声をまとめると次のようになる。

6-1 肢体不自由者(11人)
・学内施設の整備の必要性を述べている(11人)。
玄関等のスロープ、身障者対応のエレベーター、身障者用のトイレ、玄関等の自動ドア、車椅子用の座席等の整備ができていない所がある。それらが一部で整備されていても、福利厚生施設等に行こうとすれば不十分で、学内でも行けない所がある。また、身障者用の駐車場・駐車スペースが確保されていない、されていても違法駐車・駐輪のために使用できない。
・身障者の声を入れて施設の整備、運用をして欲しい(2人)。
・身障者の学生の相談窓口、相談体制ができていない(2人)。
・身障者には状況に合わせて試験の方法を工夫(時間の延長、レポート、口頭試問等)してくれた(2人)。

6-2 聴覚障害者(7人
・特に問題なしの1人を除いて、全員が講義での援助を求めている(6人)。
手話、ノートテイク、パソコン通訳等で、特に少人数での話し合いの場面等で困っている。
・学内の支援組織、ボランティアの窓口を整備して欲しい(4人)。
大学の手話サークルは助けになっている。
・大学のチューター費を充実して欲しい(1人)。
・学内施設としては音声認識システム、電光掲示板、ファックス、パトライト等を整備して欲しい(2人)。

6-3 視覚障害者(3人)
・点訳ボランティアを学外の業者に依頼できるようにして欲しい(2人)。
・試験は点訳、音訳、拡大文字、口頭試験、レポートにして欲しい(2人)。
・学内施設では、点字ブロックができても自転車や工事等のために使えないことがある(2人)。
その他の補助具の整備に当たっても、実用性の高いものにするためには購入や運用に当事者の意見を入れて欲しい(1人)。
・チューター制、対面朗読サービス等のさらなる充実をして欲しい(2人)。

6-4 内臓疾患(心臓疾患)者(1人)
・医師の診断書を提出して、それを基に大学側と話し合い、特に問題はない(1人)。

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