私たちの取り組み
渡日前の準備を支えるオンライン講座
東京外国語大学は、50年以上にわたり国費留学生に対して高水準の日本語予備教育を提供してきた実績を有している。その知見を活かし、日本の大学・大学院での学修を志す留学生に向けて「オンライン日本語準備講座」を開講。本講座は、渡日前の準備段階にある学生や研究留学生が、日本での生活や学術活動に必要な日本語を効率的に学べるよう設計されている。
講座は完全オンライン形式で、ライブ型とオンデマンド型の2種類から選択できる。ライブ型では週2回、全12回の授業が行われ、時差に応じて朝・夜クラスのいずれかを受講できる。一方、オンデマンド型では自律学習教材を活用し、週1回のZoomスクーリングで日本語を使って受講者同士が交流したり、TAと会話の練習ができる仕組みとなっている。これにより、受講者は自身の生活スタイルや学習ペースに合わせて柔軟に学ぶことができる。
開講時期は春期(2月上旬~3月中旬) と夏期(8月中旬~9月末) に設定されている。いずれも日本の大学・大学院の正規課程に在籍している学生および講座終了後2カ月以内に日本の大学へ入学予定の者が対象で、交換留学生等は対象外となる。
本講座は、単なる語学教育にとどまらず、留学生が日本の学術環境にスムーズに適応するための基盤づくりを担っている。講座内では、学術的な日本語表現や日常生活に密着した言語運用も扱われており、実践的な力を養う構成となっている。受講者の多様な背景や目的に対応するため、教材や指導方法の改善にも継続的に取り組んでいる。

教育の質向上と地域社会への波及効果
本講座の導入により、大学間連携による教材や教授法の共有が進み、教育の質を維持したまま教育コストを削減することが期待される。また、オンラインの利点を活かし、首都圏以外の地方の大学へも留学生を呼び込むことが可能となり、地域経済や文化交流の活性化に寄与すると考えられる。
さらに、日本語運用能力を高めた留学生が日本企業での就業機会を得やすくなることで、労働市場への貢献も見込まれる。これらの成果は、留学生の学修支援にとどまらず、日本社会への円滑な参画を促進するものである。
東京外国語大学は、こうした取り組みを通じて、国際的な教育環境の充実を図り、留学生が安心して学び、活躍できる基盤の整備を推進していく方針である。今後は、講座の内容や提供体制をさらに拡充し、多様なニーズに応える教育モデルとして発展させていく。また、国内外の教育機関との連携を一層深め、より広範な学修支援体制の構築を目指している。
