第76号

2025年12月

広報誌「国立大学」 第76号
国際社会と共に歩む大学の挑戦

Challenge!国立大学

ろう・難聴(聴覚障害)学生に特化した国際交流プログラム

ろう・難聴(聴覚障害)学生に特化した国際交流プログラム

筑波技術大学

筑波技術大学(天久保キャンパス)は、ろう・難聴(聴覚障害)学生のためのキャンパスとして、学生や教職員同士による、教育および研究における国際交流活動を実践している。現在は、オンラインによる交流と、対面による交流を並行しながら、アメリカ手話言語、日本手話言語、各国の手話言語、国際手話、書記言語など、さまざまなコミュニケーション方法を用いて、各国と親交を深めている。

私たちの取り組み

筑波技術大学のろう・難聴(聴覚障害)学生に特化した国際交流プログラムでは、かねてよりアメリカの大学との交流を行っていたが、近年は東南アジアとも交流が盛んになっている。2023年度にはアメリカのギャローデット大学と、2024年度にはフィリピンのデ・ラ・サール・カレッジ・オブ・セント・ベニルデとオンライン国際協働学習(COIL)に関する覚書を締結。また、2025年度にはインドネシア教育大学と協定を締結し、現地の特別支援学校(聴覚障害)の生徒の日本留学を支援する高大連携が始動している。今回は、以上の3大学との取り組みについて紹介する。

ギャローデット大学との取り組み

ギャローデット大学は、ワシントンD.C.にあるろう・難聴(聴覚障害)学生のための、私立の総合大学である。筑波技術大学の「異文化コミュニケーション」の授業、ギャローデット大学の「ろう者学入門」の授業において、オンライン国際協働学習、オンデマンド授業、そしてアメリカでの短期研修を共同で実施している。短期研修では10日間程度滞在し、学生・教職員との交流、施設見学、体験授業等を行う。

ギャローデット大学のアジア系アメリカ人学生団体との
交流活動後の集合写真

デ・ラ・サール・カレッジ・オブ・セント・ベニルデとの取り組み

デ・ラ・サール・カレッジ・オブ・セント・ベニルデは、マニラにあるろう者学を学べる私立大学であり、多くのろう・難聴(聴覚障害)学生が学んでいる。日本およびフィリピンの文化や言語、社会、情報保障などに関する調査を共同で行うほか、オンラインによる交流を国際協働学習で行っている。また、2026年2月にはフィリピンでの現地研修を実施する予定である。現地研修ではタイの協定校も訪問し、各国のろう・難聴(聴覚障害)学生支援を学ぶ。

デ・ラ・サール・カレッジとのオンライン交流の様子

インドネシア教育大学との取り組み

インドネシア教育大学は、バンドンにある教育科学部および日本語教育学科を有する国立の総合大学である。同大学のサポートを得ながら、筑波技術大学とSLBNegeri Cicendo(特別支援学校〈聴覚障害〉)がオンラインで両国の文化や生活をテーマとした交流活動を定期的に実施している。


筑波技術大学の国際交流や海外留学、英語力の向上に関する事業は、2024年度に受審した機関別認証評価において高く評価された。同プログラムを構築することで、日本で生活するだけでは得られないさまざまな生き方や考え方について学びを深め、学部での専門分野(情報、機械、建築、デザイン)における修学意欲の向上や、学生個々人の人間的な成長が見込まれている。

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