国立大学協会は、2025年12月4日に、オンラインで「2025日独大学リーダー会議(2025 German-Japanese University Leader’s Meeting)」を開催しました。本事業は、国大協とドイツの大学関係団体であるドイツ大学学長会議(German Rectors’ Conference(HRK))との共催で開催し、日独双方より大学長や理事・副学長を中心に108名の高等教育機関関係者が参加しました。日本からは国立大学及び内閣府より32機関60名、ドイツからは40機関48名が参加し、事例発表と議論を行いました。
はじめに、国立大学協会の藤井輝夫会長(東京大学長)、HRKのWalter Rosenthal会長より、開会の挨拶があり、これまでの日本とドイツの友好関係と本事業開催にあたっての関係者への深い感謝とともに、本事業が双方の研究セキュリティにおける有益な情報交換、さらには学びの機会になることへの期待が述べられました。
引き続き、「Research security: Lessons learned and examples of good practice」のテーマのもと、二つのダイアログセッションとクロージングパネルが設けられ、各トピックに基づいた発表と意見交換が行われました。ダイアログⅠのトピックは「Implementing an institutional research security process – good practice and lessons learned」で、林宣宏副学長(東京科学大学)とHauke Heekere学長(ハンブルク大学)が登壇し、大学で発生した具体的な研究セキュリティ事例の共有や、国際研究協力における外国機関との連携に関するeラーニング教材の紹介などが行われました。続いて、ダイアログⅡでは「Balancing academic freedom and research security – how to get everyone within the university on board」をトピックとし、Simone Rehm 情報技術担当副学長(CIO)(シュトゥットガルト大学)と椹木哲夫理事・副学長(京都大学)が、研究セキュリティの組織的強化の必要性や日独両国のリスクマネジメント構造の相違点などについて知見を共有しました。クロージングパネルは「Implementing research security at universities: challenges, and perspectives」をトピックに設定し、下岡豊参事官(内閣府科学技術・イノベーション事務局)、Jakob Edler執行役員(フラウンホーファー・システム・イノベーション研究所)、佐々木孝彦副理事(研究公正担当)(東北大学)、Walter Rosenthal会長が登壇し、研究セキュリティを強化する中で、「学問の自由」や「大学の自律性」といった学術の根幹的価値をいかに守り、国際的なオープン性を維持しながら、リスクを管理していくかという、日独共通の根本的な課題について、具体的な事例や提案が共有されました。
最後に、閉会挨拶として、国大協顧問兼国際交流委員会の永田恭介委員長(筑波大学長)及びHRKのAngela Ittel副会長(ブラウンシュヴァイク工科大学長)より、主催者、発表者及び参加者全員へ謝意が表されるとともに、今回のフォーラムが研究セキュリティという重要なテーマについて建設的な議論をもたらし、日独の二国間関係を強化する重要な一歩となったと述べられました。




▼各ダイアログ及びクロージングパネルの様子



