私たちの取り組み
女性技術者のキャリア形成のために
愛知県は日本有数の製造業集積地であり、多くの技術者が現場を支えています。しかし、管理職に占める女性の割合は全国平均を下回っており、製造業では女性技術者がキャリアを重ね、リーダーとして成長していく道筋が見えにくい状況にあります。
こうした課題への対応として、名古屋工業大学は2015年に「女性技術者リーダー養成塾」を立ち上げ、工学の専門性を活かして製造業の現場で働く女性技術者を対象に、長期的なキャリア形成を見据えた学びの場を提供しています。
養成塾では、5日間で10講座を開講し、実際の課題を題材にしながら組織の課題解決に取り組む力を育成します。同時に、女性が少ない現場で働く技術者同士が交流し、課題共有を行う貴重な機会にもなっています。第11期を迎えた2025年度までに、東海地方を中心とする100社以上から200名を超える女性技術者が参加しており、地域産業界における女性技術者の育成基盤として定着しつつあります。

学びを現場につなぐプログラム設計
プログラムは、キャリアビジョンの描き方、プロジェクトマネジメント、チームマネジメント、マーケティングや知財戦略など多岐にわたり、リーダーとして必要な知識とスキルを幅広く学べる構成としています。少人数グループでのディスカッションやグループワークを通じて、すぐに現場で活かせる実践力を養います。
また、受講対象を製造業に特化している点も本養成塾の特徴です。共通する現場背景を持つ受講者同士が議論を重ねることで、自身の課題を具体的な改善行動へと結びつけやすくなり、キャリアアップへの意識醸成と製造現場での実践につながる工学教育を両立させています。さらに、上長からの推薦を参加条件としており、受講者は、エントリーの段階で、職場から未来のリーダーとして期待されていることを改めて認識します。最終日の卒塾式では、上長が出席するなかで、一人ひとりが「行動宣言」を行い、学びと気づきを組織に持ち帰り、次の一歩へとつなげる仕組みを整えています。
参加企業からは、卒塾後の受講生の顕著な意欲向上や、企業の枠を超えた女性技術者のネットワーク形成が高く評価されています。本養成塾は、職場においてロールモデルやメンターを得にくい女性技術者が交流し、経験や学びを共有しながら成長のきっかけをつかむ場として、大きな役割を果たしています。

※本記事に掲載している情報は、2026年3月時点のものです。