ENGINE
越境連繋による学びのエコシステムを目指して
-共に学び合うENGINEプログラム
信州大学・富山大学・金沢大学によるプラットフォーム「円陣」
信州大学・富山大学・金沢大学
連携の概要
地域の基幹産業を再定義・創新する人材創出プログラム「ENGINE」は、交通・インフラ・食・観光などを将来課題ととらえ、変化に適応し、既存の枠を超える人材の育成を目指している。信州大学・富山大学・金沢大学が連繋し、産学官金言民が「円陣」を組む広域的な連携プラットフォームの構築に挑戦した。人材の循環と新たな地方創生エコシステムの創出を図るとともに、「突破力」を持った人材の育成を進めていく。
私たちの取り組み
信州大学・富山大学・金沢大学の3大学は、ENGINEプログラムの最終段階において圏域を越えた連携による人材育成を目的に、企業協働型課題解決授業「ENGINEインターンシップ」を展開している。学生は所属大学を越えて3大学混成チーム(4名×6チーム) を組み、各地の企業から提示された地域・社会課題に半年間取り組む。テーマは交通・インフラ・食・観光などの基幹産業であり、他地域でのフィールドワークや企業への提案活動を通じて、実践力と俯瞰的視野を養っている。異なる圏域を跨いで活動することにより、学生も企業もそれぞれの地域の魅力や課題を比較し、新たな価値に気づくことができる。
経営者も学ぶ“リカレント”が導く人材育成の循環
信州大学では、社会人や企業経営者を対象としたリカレントプログラムをプラットフォーム「円陣」の一環として実施している。2023年度にはリカレント学習プログラム推進本部を設立し、2024年度から企業経営者が自ら学ぶリカレントプログラムを提供した。会社のビジョンの実現や変革に欠かせない人材像やスキルが明確になり、社員のリスキリングやキャリア形成の意識変容につながる。加えて、リカレントプログラムを修了した経営者や企業関係者が、ENGINE プログラムの講師や学生のメンターとして参画することで、地域と大学の学びが循環する。2025年度は、富山県・石川県での展開も構想しており、地域の大学は生涯にわたって学びに伴走し、学生から社会人までシームレスに人々の成長を支える存在になっている。
プログラムを持続するために法人を設立
これらの取り組みを持続可能なものとするため、2025年1月に一般社団法人Edu-Connect 円陣を設立した。本法人は、単なる資金調達の枠を超え、地域・企業・大学・行政、さらには世代や立場を越えた多様な主体が連携し、社会課題に取り組むプラットフォームの構築を支える。技術や制度のみでは解決できない複雑な地域課題に対し、「実践する人材」がつながり、共に学び挑戦し続けるコミュニティを育むことで、地域の変革と持続的成長を支える基盤となることを志向している。
信州大学・富山大学・金沢大学は、事業終了後も連繋を継続し、圏域を越えた企業・大学間連携、学生と企業が共に学ぶ環境の創出、そして学びの循環による自律的運営体制の確立を通じて、学びの拠点となることを目指している。
経営者向けリカレントプログラムで学生に自社ビジョンを伝える様子
越境連繋で実現したENGINE インターンシップ(2024年9月)