兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科
共同研究プロジェクトによる連合大学間連携の多層的な役割
兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科
兵庫教育大学・上越教育大学・岐阜大学・滋賀大学・岡山大学・鳴門教育大学
連携の概要
兵庫教育大学を基幹大学とする連合学校教育学研究科では、6大学が連携して教育実践学の研究者育成に取り組んでおり、学生は各大学の専門科目をオンラインでも履修できるほか、研究指導においても複数大学の教員から共同で指導が受けられる体制を整えている。さらに教員間の連携として「共同研究プロジェクト」を推進しており、このプロジェクトは学生も研究員として参加が可能な研究者養成の場という多層的役割を持っている。
私たちの取り組み
多角的な視点による研究指導が実現
兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科は、兵庫教育大学を基幹大学とし、上越教育大学、岐阜大学、滋賀大学、岡山大学、鳴門教育大学の6大学が連携して、運営する連合大学院である。この体制により各大学の強みを結集することで、高度な専門性と幅広い視野を持つ教育実践学の研究者育成を目指しており、その連携は多方面に及んでいる。
教育課程の点では、各構成大学の教員が専門分野の授業科目を担当し、学生はオンラインもしくは対面で所属大学以外の教員による授業を履修することが可能である。これにより、学生は自身の研究テーマや興味関心に応じて、多様な専門知識を習得することができる。また、研究指導においても、連携体制が活かされており、各学生には主指導教員1名のほか、副指導教員2名が研究指導にあたるが、副指導教員には主指導教員の所属大学以外の教員を含めることとしている。このように、複数の大学の教員が学生の研究テーマに応じて共同で研究指導を行うことで、多角的な視点からのアドバイスやサポートが可能となっている。
教員同士の交流・連携に学生も参加
しかしながら、こうした教育課程・研究指導といった基本的な連携体制だけでは、構成大学間の教員同士の交流・連携が深まりにくい。そこで、本研究科では、より密な連携体制を構築するため、「共同研究プロジェクト」を推進している。これは学内で公募・採択される研究プロジェクトであり、複数の大学の研究者がそれぞれの専門性を持ち寄り、教育実践学に沿ったテーマに取り組むものである。各プロジェクトは3年間の期間で実施され、2003年から毎年1件から2件のプロジェクトを採択している。また、このプロジェクトには、博士課程の学生を研究員として積極的に参加させることが推奨されており、学生には教育実践学に関する最先端の共同研究に正統的周辺参加を行う機会が与えられ、その成果は、学会発表や論文発表などを通じて社会に還元されている。
このように「共同研究プロジェクト」は、構成大学間の教員の連携を促進すると同時に学生への研究者養成としての場を提供しており、構成大学間の連携に関わって多層的な役割を担っている。本研究科では、今後も「共同研究プロジェクト」を積極的に推進し、教育研究の質向上、そして社会への貢献を目指していく。
共同研究プロジェクトの研究成果報告の様子
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